吉江歯科医院ブログ(月: 2010年1月)
2010年1月30日 土曜日
最近の移植症例その2
さあ、いよいよ移植です。
歯と骨の寸法を測って、CTの計測と相違ないことを確認。移植床の形成をおこないます。慎重さと繊細さと大胆さが共存する手術です。
移植床の完成。
根の先端の処置を顕微鏡下で行います。細かい処置ですが集中力は、この時、最高潮です。
根の処置を終えたら、移植床へ。見事にすっぽりはまりました。Wao!Excellent.
術前
術後
最後に縫合と接着剤で固定して処置完了。手術時間全体で約1時間。後日の来院で消毒。腫れ、痛みほとんどなく、好調確認しました。最後にクラウンがかぶったら後日報告します。ご苦労様でした。
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2010年1月30日 土曜日
前歯のセラミック治療
30代女性の患者さんの治療前の写真です。主訴は、「前歯の形、色、が不自然なこと、付け根の黒ずみも困っている。」とのことでした。様々な診査診断を行って、患者さんにコンサルテーションをさせていただき、セラミック治療で前歯を4本治療することになりました。
古い差し歯を外す前に診断模型上で、最終のセラミックの完成予想を立て、仮歯に置き換えておきます。
その模型のシリコンコアを取っておいてから、古い差し歯を外し、新しいセラミックの準備を行います。仮歯(正式にはプロヴィジョナル・クラウンと言います。)を用いて患者さんと最終的な希望の修正確認を行った後、患者さんにOKがいただけたら、最終の型を取ります。プロヴィジョナル・クラウンに盛り込まれた情報は、正確にセラミスト(セラミック専門の技工士・ベアーデンタルの小土橋 誠)に渡されます。
最終のオールセラミック(インセラム)クラウンをセットしました。治療前(左)と比べていただければ、その差は一目瞭然です。
斜め45度からの写真です。左が治療前、右が治療後。歯の傾斜も改善しました。自然な色合い、セラミックと歯肉との調和を見ていただきたい。患者さんにもとても満足していただきました。
この症例、いくつかのキーワードがありましたが、決して特別な症例ではありません。吉江歯科では、日常的な臨床です。前歯の事で相談ご希望の方は、ご遠慮なく院長・スタッフまでどうぞ。
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2010年1月17日 日曜日
インプラントやや難症例
最近、旅行や年末行事などの記事ばかりで、症例報告をさぼっていました。今年も公開を許していただいた症例を報告させていただこうと思います。40代薬剤師の男性、右上第二小臼歯の欠損。ブリッジは前後の歯を削るのが好ましくないとのことでインプラント治療を選択なさいました。術前のCT診断で、過去に病巣が存在した場所の骨が強く陥没していることが分かっていました(外側)。GBRにて骨を造成することも検討しましたが、患者さまの負担が大きくなることから「そこにある骨を有効活用」することで合意していただきまして、いざオペです。
どうやって「そこに今ある骨を有効活用する」のか。それには、オーギュメーターという外科器具を使います。通常は、ドリルを使って骨に直径約3.5mmの穴をあけて、そこにインプラントを埋め込みます。が、この症例に普通にドリルで穴を開けたら、骨が沢山削られて、頬側の骨にドリルがはみ出て、大きな穴が空いてしまいます。そうすると、インプラントを支える骨が少なく、インプラントが不安定になり、骨と結合することも期待薄になってしまいます。そうなると骨の厚みを大きく増すためにGBR(骨造成術)の出番となるのですが、GBRは術後の強い腫れを伴うこと、作れる骨の量及び将来の骨吸収量の予測がやや難しいことなど、「そこにある骨の有効活用」に比べて患者さまの肉体的負担がやや大きくなり、また結果の予測がやや難しいという難点を伴うこととなります。(当然、GBRを用いるほうがいいケースも沢山ありますが。)
このような症例の場合、当院では患者さまの負担ができるだけ少なく、安定した結果が得られるように「オーギュメーター法」を用います。「だんだん太くなっていく先を丸めた千枚通し」のような器具が「オーギュメーター」です。
この症例では直径2mmのドリルだけを初めに行い、その後はオーギュメーターで段階的に、徐々に太さを増していくことで、骨をドリルで削ることなく、骨をやさしく広げる感覚で直径3.8mmの空間を作り(一番最初の写真がその様子です。)、そこに直径4.0mmのインプラントをしっかり埋め込むことができました。頬側の骨からインプラントは、一切露出していません。ご自身の硬い骨でインプラントがしっかり支えられています。
あとは通常どおりキャップをして、歯ぐきを綺麗に閉じておしまいです。手術時間は40分でした。きっと腫れも痛みも最小限で済むはずです。
高崎まで新幹線での帰り道、お気をつけて。ご苦労様でした。
どうやって「そこに今ある骨を有効活用する」のか。それには、オーギュメーターという外科器具を使います。通常は、ドリルを使って骨に直径約3.5mmの穴をあけて、そこにインプラントを埋め込みます。が、この症例に普通にドリルで穴を開けたら、骨が沢山削られて、頬側の骨にドリルがはみ出て、大きな穴が空いてしまいます。そうすると、インプラントを支える骨が少なく、インプラントが不安定になり、骨と結合することも期待薄になってしまいます。そうなると骨の厚みを大きく増すためにGBR(骨造成術)の出番となるのですが、GBRは術後の強い腫れを伴うこと、作れる骨の量及び将来の骨吸収量の予測がやや難しいことなど、「そこにある骨の有効活用」に比べて患者さまの肉体的負担がやや大きくなり、また結果の予測がやや難しいという難点を伴うこととなります。(当然、GBRを用いるほうがいいケースも沢山ありますが。)
このような症例の場合、当院では患者さまの負担ができるだけ少なく、安定した結果が得られるように「オーギュメーター法」を用います。「だんだん太くなっていく先を丸めた千枚通し」のような器具が「オーギュメーター」です。
この症例では直径2mmのドリルだけを初めに行い、その後はオーギュメーターで段階的に、徐々に太さを増していくことで、骨をドリルで削ることなく、骨をやさしく広げる感覚で直径3.8mmの空間を作り(一番最初の写真がその様子です。)、そこに直径4.0mmのインプラントをしっかり埋め込むことができました。頬側の骨からインプラントは、一切露出していません。ご自身の硬い骨でインプラントがしっかり支えられています。
あとは通常どおりキャップをして、歯ぐきを綺麗に閉じておしまいです。手術時間は40分でした。きっと腫れも痛みも最小限で済むはずです。
高崎まで新幹線での帰り道、お気をつけて。ご苦労様でした。
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2010年1月5日 火曜日
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
旧年中は、皆様にお世話になりこの場を借りて御礼申し上げます。本年も皆様のお役にたてるよう日々努力させていただく所存です。よろしくお願い申し上げます。
冬休みにフィンランドに家族で行ってきました。開業、結婚15周年ということで、のり子先生のリクエスト「オーロラが見たい」をかなえるべく一路北へ9時間半。
ヘルシンキを経てサンタクロースのいる村「ロバニエミ」にまず滞在。「何しろ寒い」マイナス20度。
本物のサンタクロースに逢って、次男坊(小4)は真顔で「日ごろのお礼 Thank you for your present every year Santa Claus. I will be a good boy next year also. 」を握手と共にのたまっていました。
それにしても寒い。
北極圏の人々や文化・歴史を学びに「北極圏博物館」へ。興味深い資料がたくさんありました。「人間は、こんなに過酷な条件でも笑顔を忘れずに生きてきたんだ」と深く感銘を受けました。
ロバニエミをあとにし、さらに北極圏を北上。フィンランドのほぼ北の果て「サーリセルカ」へ。
さらに寒い。マイナス27度。じっとしててもまつ毛が凍る。
でも、その極寒にもめげず、みんなでスキーを楽しみました。風があったことから体感温度は、マイナス40度くらいかな?もうここまで来ると何が何だか、やけっぱちで笑ってしまいました。
午前10時にうっすら空が明るくなり、日が昇らないまま午後2時に日没。いわゆる白夜の反対の極夜(Polar Night)。夜ばっかり。がんばって気分を高めないと、なんだか変な時間に眠くなってきてしまいます。
それにしてもウエアを着こみすぎて「強盗団」みたいだな。
夜中にごそごそ起きだしてオーロラを探します。あいにく天気が晴れたり曇ったり。満月も手伝って星もあまり見えない。「オーロラ出ないかな・・・」「あれかな??」「あれは雲!」「ガッカリ・・」
太陽の黒点活動が近年減少していて、なかなかオーロラが出ないそう・・・天文ファンの兄から聞いてはいたのだけれど。お願い・・・何とかして。
結局、3日半オーロラ観察を試みましたが、見れたのは満月のみ。でも、「地球の北の果てに浮かぶ満月」これはこれで幻想的。手が届きそう。しばし見とれました。「この空は宇宙とつながっているんだな・・」って当たり前なんだけどジーンとしました。
オーロラは見れなかったけれど、おいしいサーモンとトナカイの肉を食べれたのでみんな満足でした。またいつかオーロラにトライするかどうかは、家族会議で相談します。でも、次は暖かいところがいいな、な、長男よ!
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